私たちは、口から食べ物を食べて栄養として生きています。しかし、何らかの原因で食べられない、量が減ってきた時はどうしますか?
入院患者様にこのようなことが起きたとき、その原因や現在の栄養状態を把握し、適切な栄養投与などをサポートして全身状態の改善に取り組むチーム。それが栄養サポートチーム(Nutrition Support Team=NST)です。
栄養不足が続くと、次の様な事が起こります。
(1)病原菌などに対する抵抗力が低下して、感染症にかかりやすくなります。
(2)床ずれ(褥瘡)ができやすくなり、傷の治りが遅れたり、悪くなることがあります。
(3)筋肉が少なくなることで、体力が減少し病気の回復が遅れ退院が遅くなる可能性があります。
NSTはすべての患者様に対して、入院時の栄養状態の把握・評価を行っています。
その中で栄養状態が悪く改善の必要な患者様に対してチームで栄養療法の選択や提供方法を検討しています。
当院ではNSTに皮膚・排泄ケア認定看護師(WOC:ウォックナース)1名を配置しております。
WOC認定看護師とは、床ずれや皮膚の傷(創傷)・ストーマ(人工肛門)・失禁に対するスキンケアの専門的な資格を持っている看護師です。
WOC認定看護師の指導のもと週1回の回診で、その方の傷の状況に合わせてケアを進めています。より一層、スキントラブルに対する専門的なケアや知識を得る事が出来るようになりました。
NSTでは次の様な活動を行っています。
多職種のスタッフからNSTに栄養管理の依頼ができるシステムを取っています。個々の患者様に応じて全身状態の観察や、摂食状況をみながら必要な栄養量や食形態の選択を検討しています。
また当院は、日本静脈経腸栄養学会から栄養サポートチーム専門療法士(以下NST専門療法士)臨床実地修練教育施設の認定を受けた施設であり、NST専門療法士研修を実施しております。
カンファレンス等での情報交換
NSTでは、週1回(木曜日 14:00~16:00)にカンファレンス・回診を行っています。カンファレンスでは、患者様に対する各職種からの専門的な情報を持ち寄り、現在の栄養状態や今後の方針について意見を出し合い評価・検討をしています。
<NSTメンバー> 医師・看護師(各病棟、外来、内視鏡、手術室、地域連携)・管理栄養士・言語聴覚士・薬剤師・臨床検査技師・放射線技師・医療相談員・医事課等の全職種が関わっています。 |
![]() 依頼された患者様の疾患、状態をスライドで 説明し、評価します。 |
![]() メンバーで意見を出し合い、 改善策を考え、話し合います。 |
NSTでは週1回のカンファレンスとともに、回診も行っています。
回診は、医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師により行っています。カンファレンスで上がった内容を重点的に観察し、回診結果で食事内容・経腸栄養・静脈栄養(点滴)・傷の処置等検討を行い、変更点がある場合は主治医に提案します。
回診時、栄養管理(再評価)NST記録書に、患者様の状態を確認し記入します。床ずれ(褥瘡)の患者様は、褥瘡委員会と連携し回診を行っています。回診時、床ずれの様子や大きさを評価し写真で撮影し記録しています。
また、NSTでは活動報告として「NST新聞」を1年に4回発行しています。院内掲示しておりますので是非ご覧下さい。
以下にバックナンバーを掲載しておりますので、併せてご覧ください。
>>NSTニュース2019.3号2019.08.29発行(PDF)
>>NSTニュース2019.2号2019.04.25発行(PDF)
>>NSTニュース2019.1号2018.12.20発行(PDF)
>>NSTニュース2018秋号2018.09.28発行(PDF)
>>NSTニュース2018夏号 2018.06.23発行 (PDF)